矯正歯科デーモンシステム-1
矯正歯科デーモンシステムの特徴は
「歯根膜の血流を維持出来るような弱く持続的な力で歯を動かす」
ことです。
歯が動く仕組み〜では、なぜ歯根膜の血流を維持しなくてはならないのでしょうか?
歯根膜とは何か?
歯根膜は歯根周囲を取り巻き,歯と歯槽骨を結び付けその空隙を満たしている線維性結合組織(コラーゲン繊維)です。
歯根膜には血管や神経が網目状に広がり、歯根への栄養供給や、咬合力を和らげるクッションの役割をするとともに、その刺激・感触を脳へ伝える働きがあります。
** 適切な矯正力が加えられた時の歯根膜周囲の反応(デーモンシステム) **
歯に適切な矯正力(歯根膜の血流を阻害しない)が加えられると、歯が移動する側(圧迫側)では歯槽骨壁と歯根とを結合している主繊維が圧縮され歯根膜の組織圧が上昇します。
歯根膜繊維は一定の厚みを維持しようとするため、固有歯槽骨の骨膜が反応して破骨細胞(骨を吸収する細胞)を生じ,圧迫部位の歯槽骨壁を吸収します(直接性吸収)。
また反対側(牽引側)では主線維が伸展し,線維中に介在する血管の血流亢進が生じ、主線維の付着している固有歯槽骨の骨膜で骨芽細胞(骨を造る細胞)の増殖・代謝活性が促進され、骨が新生されます。
** 過度な矯正力が加えられた時の歯根膜周囲の反応(従来型矯正装置) **
一方、歯に加えられる矯正力が強すぎると、主繊維が圧迫され血管が閉塞して歯根膜に重度の血流障害が生じます。
それにより線維などの細胞基質は変性してしまいます(硝子様変性)。
破骨細胞はこの変性組織周囲の歯槽骨表層には接近できないため、骨髄側に出現した破骨細胞により歯槽骨壁の背面あるいは側面からの吸収が進みます(間接性吸収:隣接する障害を受けていない領域に由来する細胞の働きで行われる骨吸収)。
この様式では吸収すべき骨の量が多くなるとともに血管の再形成を待たなくてはならないため、歯の移動には相当な時間を要します。
これはブレーキをかけたまま車を走らせているようなもので、非常に効率が悪いのです。







