キシリトール(xylitol)とは
キシリトールはシラカバやカシから得られるキシランに水素を加えて還元してつくられる糖アルコールの一種です。
糖アルコールの中で最も甘い砂糖(ショ糖)と同じ糖度で、カロリーは3.0kcal/g(砂糖は4.0kcal/g)です。
またお口の中で溶ける際に吸熱反応(砂糖の8倍)が起こるので独特の清涼感・冷涼感が得られるのも一つの特徴です。
キシリトールの虫歯予防効果(静菌作用)
砂糖(ショ糖)の場合、ミュータンス菌(mutans streptococci:いわゆる虫歯菌)が糖を分解・発酵して酸をつくりだします。
その酸(pH5.7以下)によって歯のエナメル質が溶かされて虫歯ができてしまいます。
一方、キシリトールはミュータンス菌体内に取り込まれると、キシリトール5リン酸となるもののミュータンス菌はそれを代謝することができないために菌体内蓄積し、増殖を抑制することが報告されています。
すなわちキシリトールの場合は、ミュータンス菌によって発酵せず、虫歯のもととなる酸が発生しないのです。
*“キシリトール入りのガムを長期間食べ続けるとミュータンス菌の数が減る”
との報告がありますが、これはキシリトールの静菌作用というよりは、
“キシリトールを代替甘味料として用いた場合には、唾液あるいはプラーク(歯垢)のpHを下げないため、プラーク(歯垢)中で耐酸性の強いミュータンス菌より他の口腔内常在菌が優位になり、細菌叢が変化するためではないかと考えられています。
つまりキシリートールが抗生物質のようにミュータンス菌に直接作用して死滅させているとは考えにくいようです。
キシリトールの再石灰化作用
歯の表面のエナメル質を構成するハイドロキシアパタイトの結晶から、カルシウムなどのミネラル成分が溶け出して結晶構造が崩れる現象を脱灰といいます。
一度脱灰がおきても中性環境では唾液中のリン酸やカルシウムがそこに沈着して結晶のミネラル成分が回復します。この現象を再石灰化と呼びます。
私たちの歯の表面ではこの「脱灰→再石灰化」がバランスよく行われています。
しかし飲食回数の増加等、酸の発生する量と回数が増えると、再石灰化が追いつかずに脱灰が進行して“むし歯”を生じます。
キシリトールを含むガムを噛むと再石灰化が促進されるとの報告があります。
しかし、これはキシリトールの再石灰化作用というより、ガムを咬むことにより唾液分泌が促進されてその緩衝能によりプラーク(歯垢)のpHが上昇して、再石灰化が促進されたのではないかとも考えられています。
財団法人 日本食品化学研究振興財団〜厚生労働省行政情報
厚生労働省
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